雀孝行〜雀が登場する民話まとめ7選〜

この記事では、全国各地に残っている「スズメ」が登場する民話を7つまとめています。

 

この記事を読む時の注意点

参考文献の原文は、語り口調で記載されていましたが、
この記事で紹介している民話は、現代テイストに変更してまとめています。原文を読んでみたい方は、以下の書籍をご購入ください。

 

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雀孝行 (沖縄県)

あるところに、スズメとカワセミの兄弟がいました。

2羽が仲良く暮らしていると、

突然「親が死にそうだよ。早く来なさいよ」と父親から連絡が入りました。

スズメは「大変な事になった。生きているうちに早く行かないといけない」と思って、
着の身着のまま飛び出して行きました。

そのおかげで、親が生きているうちに会う事ができ、お別れを言う事ができました。

一方、カワセミはと言うと、

「親が死んでしまうよ。命が危ないよ」って言っても、

「オシャレしてから行かなくっちゃ」といって、おしろいをぬったり、色々な事をしてから駆けつけた。

そうしている間に親は亡くなってしまって、親の死に目に会う事ができなかった。

それで、父親は、

「スズメ、お前はもう大変良い子で親孝行だから、雨に濡れるなよ」と家の軒下で暮らせる事になって、

「カワセミ、お前は年上だけど、親不孝だから、雨に濡れて川原で魚を取って食べなさい」と言われてしまいました。

おしまい

 

色んな「雀孝行」地域によってスズメの相方が違う

雀孝行のお話は地域によってスズメの相方が違います。

ツバメだったり、キツツキだったり、ジョウビタキだったり、メジロだったり…

 

スズメの相方は違っても、話の大筋はほとんど同じです。

雀孝行の大筋はこんな感じ

  1. 親が危篤と連絡がくる
  2. スズメは着の身着のまま駆けつける
  3. 相方の鳥は、オシャレしてから駆けつける
  4. スズメは親孝行、相方の鳥は親不孝
  5. スズメは軒下に巣を作れる+新米を食べる事ができるようになる
  6. 相方の鳥は、怒られてけちょんけちょんな扱いをされる

なので、他の地域の雀孝行の紹介は、相方の鳥の顛末だけまとめています。

話の流れは↑の通りなので。

 

全文を知りたいって方は、こちらの書籍を読んでみてください。

 

 

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雀孝行•目白不幸 (滋賀県)

メジロは目のヘリに白いおしろいをつけて、オシャレしてから向かったから、親の死に目に会えなかった。

それで、メジロには今でもおしろいの名残が残って、目の周りが白いと言われています。

 

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雀と紋付鳥 (広島県)

紋付鳥がいつも忙しそうに川原の石や木の枝にとまって、おじぎばかりしているのは、
あの鳥が親の死にそうな時にすぐに行かないで、着物ばっかり綺麗にして、化粧して、紋付に着替えていって、
駆けつけた時には、親が死んだ後だったから。

それで親に「すまん、許してくれ」とおじぎばっかりしている。

 

巣作りの話 (熊本県)

スズメが古い布を重ねて縫った着物を着て、モミをあさっているところへ

「今日は我が子を育てる巣の作り方を神様が教えれくれるから集まれ」と知らせがありました。

それでおしゃべりのスズメは他の鳥にも知らせにまわって、

神様の元には、ハトやウグイスやツバメ…そしてスズメが集まり、巣作りの話が始まりました。

 

まず、一番に木の枝を枝の間に平たくし、次にかやの葉などをもってきて円く…と神様が話し始めると、

「なるほど!」とハトは終わりまで聞かずに帰ってしまい、出来た巣は枝だけの巣。

ウグイスは円く巣を作ったけれど、雨の時はどうするか心配だったので、再び神様に聞きに行ったら「円く作って横に寝かせて横から出入りすればいいだろう」と言われたので、今でも神様の言う通りにして巣作りをしていて、

ツバメはお前は家の軒下に泥に藁などを混ぜて作れと教えられた。

 

ある時、神様が病気になられた。

神様の病気と聞いたスズメは着の身着のままで駆けつけて看病をしたが、

スズメの看病も虚しく、神様はとうとう亡くなられた。

神様は遺言に「スズメ、お前はなかなか心がけが良いから、お初穂を1番に食って良い」と言われた。

 

明くる日は普段着のままのスズメ、ところがツバメは白粉をつけて、口紅をつけて、紋付を着て、
しかもこともあろうにペチャクチャいいながら、棺が出ようとする時に着いた。

 

「待って、待って」とツバメは棺の上で騒いでいるのを、

ほかの神様はツバメの行いに気を悪くされて、

「私は何を食べたら良いですか?」という問いに、

「土食うて、虫食って、後には死ねろ」と吐き捨てた。

 

それでツバメは今でも「土食うて、虫食って、後には何食おうか、ギー」と鳴いているんだとさ。

 

コラム:スズメは害鳥•ツバメは益鳥

一般人にとっては、害鳥益鳥という概念はあまりないと思いますが、

農家の人にとっては、収穫までこぎつけた稲を食べに来るスズメは害鳥で、稲につく虫を食べてくれるツバメは益鳥として扱われてきました。

 

稲を食べるスズメを追い払う農民の心情からは、スズメ贔屓の話は生まれにくく、この昔話の出どころは農民ではないと考えられています。

農民はスズメを好ましく思っていないので、
農民の多くはスズメ贔屓の話を、あまり好ましく思わないはず。

 

それなのに「雀孝行」の話は、相方は変われど全国に広まっています。

農民からしてみれば害鳥のスズメをなぜそんなに持て囃すのか?

 

そこで、最初の「一般人とっては害鳥益鳥という概念はあまりない」事を踏まえて考えると、そもそもこの話は「鳥の話」という聞き方ではなく、「親孝行親不孝の話」として聞いているのではないかと考えられます。

 

つまり…
人間ドラマとして話を面白がっていた!

 

だからこそ、全国的に同じような話が広まり、

昔から身近なスズメが主人公になるのも必然だったのではないでしょうか?

スズメ孝行•きつつき不幸 (滋賀県)

仏さんが亡くなられる時に、虫けらが枕元によって、お伺いをしていました。

「スズメはなぜクチバシが黒いのか?」

「それはスズメは結婚していたので、お歯黒をつけていたのだよ」

 

ある時、お釈迦さんが「皆来い、死に目に会えよ」と言うと、
スズメは雨が降っていたので、蓑を着て、お釈迦様のところへ早く治ってくれと見舞いに行った。

スズメはお歯黒を塗ってはいたが、ボロボロの蓑を着て、急いで駆けつけたので、
お釈迦様は「ああ、お前はね、よう来てくれた。なんなりと穀物を食べてくれ」と

それで、スズメは人間の食べる米を食って生活するようになった。

 

けれど、キツツキは先に化粧をしていたので、

「お釈迦さんの側へ来るのに化粧をするな。お前は1日に3匹しか虫を食うな」と言われ、

それでキツツキは硬い木をつついて、虫を食べるようになった。
1日に3匹の虫を取る為に、キツツキはクチバシを研いで、夜には「疼く、疼く」と鳴くのでした。

 

スズメが良い思いが出来るのは、お釈迦様がそれだけの徳をくれたからなのです。

おしまい

この続きもあるけれど、鳥以外の動物が出てくるので割愛。

詳しく知りたい方は、こちらの書籍を読んでみてください。

 

 

写真のキツツキは「コゲラ」という鳥なんですが、この話のキツツキはオシャレ扱いされているので、「アカゲラ」や「アオゲラ」あたりの事を指しているんじゃないかなぁと思ったり…

スズメと生き水 (沖縄県)

スズメはね、神様に、人間が若返る薬を持たされた。

だけど、スズメは怠け者で、畑の中のイチゴを食べに行く時に、
そこにヘビがやってきて、この薬を取って体に塗りつけてしまった。

そうしたら、ヘビは若返って、脱皮するようになったとさ…

 

さいごに

今回紹介したスズメが登場する民話は、「今に語りつぐ日本民話集/動物昔話•本格昔話3〜小鳥になった人たち〜」を参考に、文章を現代テイストに変えてご紹介しました。

原文が知りたい方は、ぜひこちらの書籍を読んでみてください。

 

古い本なので、図書館で借りる事もできるかもしれませんよ。

 

今回は鳥を見るだけではなく、文化的な側面からも鳥を知っていこうと、スズメに関する民話をまとめてみました。

それぞれの鳥の特徴や習性を上手く反映させながら人間模様を加えた民話を通して、昔の人の鳥に対する価値観や日本人の価値観を垣間見れた話が多かったと思います。

今回の民話を通して、もっと鳥に興味を持ってもらえたら幸いです。

 

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