カヤクグリ

「カヤクグリってどんな鳥?」

カヤクグリ(茅潜)は、スズメ目イワヒバリ科に分類される一年中日本で見られる留鳥で、日本特産種です。

高山で繁殖し、秋冬は平地でも見られます。
高山を主な生息場所にしているため、人に関わる機会が少なく、警戒心が低い傾向があります。

カヤクグリってどんな鳥?

落ち葉をかき分けて採食するカヤクグリ

カヤクグリってどんな鳥?
分類動物界/脊索動物門/脊椎動物亜門/鳥綱/スズメ目/イワヒバリ科/カヤクグリ属
英名Japanese accentor
学名Prunella rubida
意味赤い小鳥
別名かやくき、おおみそさざい、やまさざい、しばもぐり、ちゃやどり
生息地九州以北(九州では冬鳥)

国内繁殖地 四国の剣山、本州中部以北、南千島
国内越冬地 低地や本州、四国、九州

■見られる月:1年中(秋冬は平地でも観察できるので特に多い(12〜2月)

▶︎繁殖地では、5月中旬頃から見られ始め、10月頃に越冬地へ移動し始める

世界分布ロシア(南千島)
生態
  • 亜高山帯〜高山帯の岩場や草地などで繁殖し、冬は低山の林や沢などに移動する
  • 1羽から数十羽の群れで生活する
  • 繁殖期には明るい場所でさえずったり、採食したりするが、繁殖後は林や藪の中からはあまり出なくなる
  • 秋冬は茂みの中を移動し、採食時に開けた場所(落ち葉の上や落ち葉の積もった車道の端)に出てくる
  • 跳ねるように歩き、驚くと茂みの中に隠れたり、枝の上にとまったりする
  • 食べ物は、草の種子、昆虫類、クモ類など

カヤクグリの顔のアップの写真

カヤクグリの特徴
特徴
  • 全身が茶色っぽく、お腹が灰色に見え、翼はスズメのような羽模様
  • 目が赤っぽい
鳴き声♪「チリリチュウチイ ピイピイチリリリ」と細い声でさえずる

♪地鳴きは「チリリリ」

カヤクグリの地鳴きチリリリ

サイズ全長14cm
オスとメス
  • オスとメスで同じ見た目
  • オスとメスともに、複数の個体と繁殖することが知られていて、一妻二夫で繁殖するとも考えられている
  • 交尾の時に、メスは尾羽を水平に伸ばして細かく震動させ、赤く肥大した総排泄腔をオスに見せつけるディスプレイを行う
子育て
  • 繁殖期になると、オスとメスそれぞれ数羽からなる小規模の群れを作る
  • 高さ1mほどの木の上に枯れ草や苔などを組み合わせたお椀状の巣を作る
  • 6〜9月に1日1個ずつ2〜4個の青色無斑の卵を朝に産む
  • メスだけが抱卵し、卵は約13〜14日で孵化する
  • 孵化したヒナは約13〜14日で巣立つ
  • 巣によっては、同じ群れのオスが抱卵中のメスに給餌を行う

カヤクグリQ &A

地面で採食するカヤクグリの画像

カヤクグリの漢字は?

茅潜

「茅(かや)」ススキやイネ、アシなど茅葺きに使用する様々な植物の総称。
チガヤとも呼ばれるイネ科の多年草で、よく見かける雑草の古名。

萱潜

「萱(かや)」イネ科の植物チガヤ•ススキなどの総称。屋根をふくのに使う。

雑学!茅葺き屋根の費用は?
屋根全体を葺き替えする費用は、約2,000万
屋根表面だけの修繕は、約500万
(内訳、職人の人件費、葺き替えする際に家の周りを覆う足場代、材料費、運搬費、廃材処分代など)

カヤクグリの由来は?

和名カヤクグリは、冬季にカヤの茂みに潜むように生活することから
【茅/萱(カヤ)はススキなどの総称】

平安時代から「かやくき」という名前で知られていて、
室町時代には「かやくぐり」と呼ばれるようになった(室町時代の国語辞書「下学集」1444年出版に記載があるかと思い調べてみましたが、確認できませんでした。他の辞書?)

【外部サイト-下学集を閲覧する

 

カヤクグリの特徴は?

全体的に茶色っぽい見た目をしていますが、茶色一色というわけではなく、灰色や赤茶、黒など色味は複雑です。
地上を跳ねるように歩き、細いくちばしで地上の昆虫や種子などをつまんで食べます。

人間への警戒心は低く、近くによってもあまり逃げない傾向があります。

カヤクグリのたべものは?

繁殖期には、地上に生息する昆虫を食べ、冬には種子や果実を食べています。
昆虫や種子を消化分解するために、砂を飲み込む場合もあります。

またカヤクグリの持つ細くて鋭いくちばしは、地上の昆虫や種子をつまむのに役立っています。

カヤクグリの分類は?

カヤクグリはスズメ目イワヒバリ科カヤクグリ属に分類されています。

イワヒバリ科に属する鳥類は、ヨーロッパカヤクグリと日本のカヤクグリを除けば、ヨーロッパとアジアの山岳地帯に生息しています。いずれの鳥も、冬は暖地へ移動する傾向があります。

カヤクグリの鳴き声は?

カヤクグリは高山で繁殖するため、さえずりを聴くには夏の高山に行く必要があります。

秋冬には低地に降りてくるカヤクグリは、地鳴きの「チリリ」とよく鳴くので、こちらの鳴き声の方が聴き馴染みがあるでしょう。

カヤクグリの地鳴きチリリリ

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カヤクグリの観察記録

車道の脇で採食するカヤクグリの画像

近場でもカヤクグリに会うには、秋冬の低地へ移動してきた時がいいと言うことで、11月にお山に行ってカヤクグリに会いに行ってきました!

カヤクグリは、ウグイスやミソサザイが好きそうな笹藪や茂みから地上に出てきて採食し、驚くと茂みに隠れて、またしばらくすると出てくるのを繰り返していました。

への警戒心が低いのかジッとしていると、カヤクグリの方からこちらへ近づいてくることも多く
スマホでも撮影できてしまうんじゃないかってくらいの距離で、のんびり採食していました。

また車道の脇の落ち葉が積もった場所でも採食活動していたので…

秋冬のお山だったら、もしかしたらどこにでもいるのかな?
と思ってしまうほど、お山での遭遇率は高い鳥さんでした。

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