トラツグミ

「トラツグミの生態は?どんな鳥なの?」

トラツグミ(スズメ目ヒタキ科)は、低地から山地のよく茂った林にすみ、繁殖期になると夜にさえずります。

日本全国で繁殖しますが、林の中なので、あまり姿が見られません。

 

トラツグミの生態まとめ表

トラツグミのアップ画像

トラツグミの特徴や基本情報
分類動物界/脊索動物門/脊椎動物亜門/鳥綱/スズメ目/ヒタキ科/トラツグミ属
特徴
  • ツグミ類の中では最も大きい
  • 体は黄褐色に黒色の横斑や三日月斑がある
  • 翼は黒く黄褐色の羽縁がある
  • 中央尾羽は暗記褐色、外側尾羽は黒褐色で先が白い
  • 飛ぶと翼の裏に白と黒の帯が見える
会える季節1年中見られ、日本全国で繁殖する

また北の地方のものは冬に暖地へ移動する(北海道では夏鳥)

会える場所
  • 繁殖期は、低地や山地のよく茂った林
  • 秋冬は、公園や広い庭、芝生などに出てくる
会える地域日本全国(奄美大島では亜種オオトラツグミが、現在は確認されていないが西表島には亜種コトラツグミが生息していると考えられている)

世界分布
シベリア東南部から中国東北部、朝鮮半島などで繁殖し、冬季はインド東部からインドシナ半島、フィリピンなどに渡りをおこない越冬する

名前
  • 漢字:虎鶫
  • 英語名:White's Thrush
  • 学名:Zoothera aurea
名前の由来
  • 日本語名「トラツグミ」は「羽の模様が、虎の模様に見える」から
  • 英語名「White's」は「イギリスの博物学者ギルバート・ホワイト」にちなんで、「Thrush」はラテン語に由来する
  • 学名の「Zoothera」は「虫を狩る鳥」を、「aurea」は「金色の」を意味する
サイズ/体重29.5cm/150g
食べ物ミミズや昆虫、木の実など

狩りのスタイル

  • くちばしで地面をほじくりながら、獲物を捕食する
  • 林の中や林縁の地上での採食が多く、秋冬には開けた場所にも出てくる
  • 腰を上下に動かしながら、ミミズなどを誘き出す

地面を突いて食べ物を探すトラツグミ

トラツグミの生態や子育てについて
鳴き声さえずり

「ヒー、ヒョー」とさ口笛のような声でさえずり、夜に鳴く(曇りの日や雨の日には日中でもさえずりを聞く事がある)

地鳴き

普段は「ガッ」と鳴く

【トラツグミの鳴き声試聴サイト:さえずりナビ(外部サイト)】

寿命情報がなく、不明
オスとメス同じ見た目で、外見からの判断は難しい
歩き方足を交互に出して歩く
似た鳥
性格繁殖期は林の中で行い、人目につかないようにしているが、秋冬には比較的近くで観察できる機会が多く、人に対する警戒心は高くない
行動
  • 繁殖期以外は、単独行動が多い
  • 林の中を低く飛ぶ事が多い
  • トラツグミの巣は大きく20cmほどある(参考サイト:THESE DAYS
子育て
  • 4〜7月頃に、林の中の木の枝に、コケや枯れ枝で20cmほどの大きな巣を作り、3〜5個の卵を産む
  • 卵は約14日で孵化する

トラツグミの補足情報

秋冬のトラツグミ

秋冬のトラツグミ。開けた場所にて

トラツグミは、秋冬には開けた場所で採食している事も多く、場所の特定ができれば、かなり近づく事ができ観察しやすい鳥です。

トラツグミと会うには、秋冬に広めの林がある公園に行ってみるのがおすすめです。

昔は妖怪だった?

トラツグミは独特の鳴き声と夜に鳴く習性、さらに姿が見えない事から、万葉集の和歌では「悲しさや寂しさ」の象徴として扱われてきました。

その後、源頼政が宮中で捕らえた怪物は、頭はサル、体はタヌキ、尾はヘビ、手足はトラのようで、その声は「ぬえ」のようであると記された事から、名の無いその怪物は、のちに「ぬえ」と呼ばれるようになり、「ぬえ」=「怪物」という図式ができあがったと言われています。

そうして、妖怪ぬえが誕生し、ぬえの鳴き声を持つトラツグミは妖怪になりました。

ぬえの正体がトラツグミだとわかったのは、江戸時代になってからです。

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参考文献

フィールドガイド日本の野鳥/高野伸二 著野鳥観察ハンディ図鑑 山野の鳥/安西英明 解説/谷口高司 絵」「バードリサーチニュース2015年10月

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