
日本固有種の1種「ニホンカモシカ」
一時期は幻の動物と呼ばれていたニホンカモシカですが、ニホンカモシカは一体何を食べて暮らしているんでしょうか?
ニホンカモシカの食性について調べた論文から、ニホンカモシカの食べる物を学んでいきましょう!
ニホンカモシカの食べ物って何?
調査結果
1967年5月?1975年5月の中央アルプス (木曽山脈) および北アルプス南部での個体調査の記録です。
調査内容は、胃内に発見された植物を調べるというものでした。
個体調査の結果…
・針葉樹が2科7種。
・常緑広葉樹が1科4種。
・落葉広葉樹が6科6種。
・草本が7科9種。
ーーー総計16科26種の植物が発見されました。
・常緑広葉樹が1科4種。
・落葉広葉樹が6科6種。
・草本が7科9種。
ーーー総計16科26種の植物が発見されました。
季節による変化も見られた
季節によって食べる植物の種類にも変化が見られ、
春
食べる植物の数が急増し、木の葉っぱよりも地面に生えている草をよく食べる。
夏
食べる植物の種類が一番多く、ほとんどが地面に生えている草を中心に食べる。
秋
広葉樹を中心に木の葉を食べる。
冬
針葉樹が中心になり、越冬芽をつけた枝先等も食べる。
他にも…観光地に近い場所や登山客などが多い場所の個体では、ビニール袋の断片が1点、ハム類の包装に用いられていたと思われる合成樹脂製品の断片が1点発見されました。
ニホンカモシカが食べた植物の種類
- 針葉樹:シラビソ、オオシラビソ、コメツガ、ウラジロモミ、クロベ、ヒノキ、アカマツ
- 常緑広葉樹:アカミノイヌツゲ、ツルツゲ、ソヨゴ、ハイイヌツゲ
- 落葉広葉樹:ミヤマハンノキ、チシマザクラ、カツラ、カラコギカエデ、オオカメノキ、ミネカエデ、オノエヤナギ
- 草本:ゴゼンタチバナ、スゲ、クマイザサ、ヤマソテツ、イワノガリヤス、ツバメオモト、ヒカゲノカズラ、シノブカグマ、コイチヤクソウ
場所が変われば、食べる物も変わるようで、場所によってはウラジロガシ・アラカシ・スギ。
畑の近くなどでは、クワやダイズ、シロツメクサなども食べていることがわかりました。
ニホンカモシカの食べる物まとめ
今回は北アルプス南部でのニホンカモシカの食性調査から、ニホンカモシカの食べる物をまとめてみました。
調査結果から、
ニホンカモシカは
- 植物の葉を食べる動物(特に新鮮な葉が大好き)
- 季節によって食べる植物の種類が変わる
- 冬の季節には食べる物が少なくなる
- 暮らしている場所によって、食べる植物の種類に変化がある
- ビニール袋などを食べてしまう危険性もある
ということがわかりました。
余談ですが、この調査はニホンカモシカの死体を見つけて、その個体の胃袋を調査していたんですが、多くのニホンカモシカの死体はツキノワグマに食べられていたそうです。
参考文献
胃内容物からみた北アルプス南部産 ニホンカモシカの食性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmammsocjapan1952/6/5-6/6_5-6_199/_pdf/-char/ja
ご覧いただきありがとうございました。