この記事を読むと、カカポの事に詳しくなれます。
この記事は、カカポについて書かれた書籍「ねずみに支配された島」やカカポの保護団体のホームページから情報を整理し作成しました。
作成者は、「絵を愛し・動物を尊敬して10年のおざきしょうた」です。
動物の絵を描く作家活動を10年していまして、世界最大級の水族館「海遊館」でも作品を展示させていただいた事もあり、動物をとても尊敬しています。
カカポは鳥である
まず初めに、これだけは押さえておいてください。
動物に少しでも詳しい人なら、姿を見ただけでカカポとわかると思います。
ですが、初めてカカポを見た人の中に、これが鳥だとわかる人はいるんでしょうか?
あ、普通にクチバシで鳥だってわかりますね…
カカポは飛べないオウム
カカポは、オウム目フクロウオウム科に分類されるオウムです。
オウムの仲間なんですが、まんまるずんぐりで、飛べません。
カカポの祖先は飛べたのですが、訪れた島には陸上で生活している哺乳類が全くいなかった為、陸上生活に適応し、飛ばなくなったと考えられています。
いつしか飛ばなくなったが、飛べなくなったになり、カカポはカカポとしての個性を手に入れました。
カカポと言う名前
カカポは和名では「フクロウオウム」と呼ばれていて、
「カカポ」と言うのは、ニュージーランドの先住民族マオリの言葉です。
マオリ語である「カカポ」は「夜のオウム」を意味しています。
カカで「オウム」、ポで「夜」という意味なんだって。
またカカポの英名も同じく「Kakapo」で、
学名は「Strigops habroptilus」(意味:フクロウのような)と呼ばれています。
聞き慣れない学名ですが、学名にはラテン語が使われています。
- カカポ:元はマオリ語(意味:夜のオウム)
- カカ:オウム
- ポ:夜
- 和名:フクロウオウム
- 英名:Kakapo
- 学名(ラテン語):Strigops habroptilus(意味:フクロウのような)
カポポじゃありません
カカポの知名度は高いようで低い。
カカポかカポポか、ちゃんと伝わってない事があります。
カポポじゃなくて、「カカポ」です。
カカポ、カカポ、カカポ…
ニュージーランドの大きなオウムさ、カカポ。
カカポの身体
カカポは大きいオウムと言われています。
どのくらい大きいかというと、全長は約60cm。
ちょっと大きめのニワトリくらいのサイズ感だそうです。
体重は3?4kgで、
5kgのお米よりは軽くて、
2リットルのペットボトル2本くらいの重さ。
身近な鳥のカラスと比べると…
カラスの全長は約56cmとほぼ同じくらいの大きさだけど、
カラスの体重は550?750gほどで、カカポの体重は、カラスの約5.3倍もあるんです!
- 全長:約60cm
- 体重:約3?4kg
- 身体:カラスより気持ち大きめ
- カラスとの比較:体重はカラスの約5.3倍
カカポの特徴
カカポの身体的特徴
- 大きなクチバシ
- 歩くのに適した足
- 綺麗な緑色の羽
- いい匂いがする
- 足が速い
- 木にも登れる
カカポの生態的特徴
- 夜行性
- 求愛と繁殖を毎年しない。
- ヒナが巣立つまで2ヶ月はかかる。(ツバメなら3週間ほど)
- 平均して1?2個しか卵を産まない。
- 地面の穴や木の洞に巣を作る。
- 個体によって食べ物の好みが違う。
- 孤独を好む。
- 他のカカポと会うと、喧嘩をしてしまう。
- 長生きで、最長で100歳以上生きる事もある
カカポの匂い
カカポはいい匂いがすると言う人と、ちょっと臭いって言う人がいます。
ハチミツやフリージアの匂いという人もいれば、
クラリネットケースの中の臭いという人もいるようです。
カカポの鳴き声
ブー、ブー
ブーン、ブーン
みたいな独特の鳴き声がします。
あとは体を膨らませて、ブォ、ブォと全身を振動させた音を出します。(ブーミング)
カカポの求愛方法
- カカポのオス達は、集会場を持っている。
- オスはみんな、その集会場に集まります。
- 集会場でオスは通路を作ります。(草を刈り取り、地面をならす)
- オスは作った通路にゾウの足跡のような窪みを作ります。
- 季節は夏。オス達は自分の作った窪みに、すっぽり入って身体を膨らませて音を鳴らします。
- これでメスがやってくれば、軽くダンスを踊って、結ばれます。
この身体を膨らませて音を出す行為をブーミングと呼んでいます。
ブーミングは、一晩に7時間ほど繰り返し、3?4ヶ月毎晩続きます。
とても特徴的な音で、保護の為カカポを見つける際に、調査隊もこの音がしないか確認に使っていたほどだそうです。
カカポの生息地
カカポはニュージーランドにしかいない、とてもとても珍しい鳥です。
カカポの先祖がニュージーランドに来たのは、今から100万年ほど前の第4紀。
かつては最高100万羽が生息していたと考えられています。
ニュージーランドはカカポの楽園だったんです。
かわいいカカポが絶滅しそうだった?
鳥らしからぬ数々の特徴を持つ鳥カカポ。
ニュージーランドの楽園に暮らしていたカカポですが、カカポは一時期絶滅しそうだったんです。
なぜカカポは絶滅しそうだったのか?
それにはまず鳥の楽園に住んでいた頃のカカポを知る必要があります。
当時のカカポの天敵は上空から襲い掛かる猛禽類(ワシなど)だけでした。
そこでカカポのとった対策が、
- 茂みと同じ緑色にカモフラージュする
- 夜に活動する
- 危なくなったら、じっと動きを止める
の3点でした。
鳥の楽園時代は、これで天敵対策がバッチリだったんです。
突然の天敵の出現
そこに人間が島にやってきて、ネズミ、ニワトリ、ブタ、イヌ、ネコ、イタチ、ウサギ、ヒツジ、フェレット、オコジョを連れてきました。
哺乳類がいなかったから、飛ばないように進化してこれたのに、急にカカポは哺乳類と対面するわけです。
もちろん、カカポはすぐに捕まりました。
カカポの天敵対策が意味なしだった!?
多くの哺乳類はカカポと同じ夜行性で、動きが素早い。
カカポも足が速いと言っても、哺乳類ほどではなく、簡単に捕まえられました。
しかもカカポは独特の体臭がする為、鼻の効く哺乳類達は簡単にカカポを見つけられたようです。
別の大陸からやってきた哺乳類には、カカポの天敵対策が、すべて通用しなかったんです…
- 茂みと同じ緑色 → 体臭がキツくて、効果なし
- 夜に活動 → 天敵も夜に活動しています
- 危険な時は動かない → 体臭があるから、すぐ見つかる
そうしてカカポも絶滅の道へと進んでいきました。
カカポの絶滅の流れを詳しく読んでみたいという方は、こちらの書籍「ねずみに支配された島」をご覧ください。
現在のカカポの生息状況
1894年からカカポの保護運動は始まり、現在も懸命な保護活動で守られているカカポ…今の生息状況はどうなっているんでしょうか?
今、カカポがいる場所は?
現在、カカポがいるのはニュージーランドの3つの島だけです。
- コドフィッシュ島
- アンカー島
- リトル・バリア島
この3つの島で、徹底した管理の元、カカポは島を自由に満喫しているようです。
今のカカポの生息数は?
2019年の初夏には、カカポは全部で147羽しかいませんでした。
ですが、夏の終わりまでには252個もの卵を産む大繁殖をしたそうです!
そのうち70羽以上のヒナが育ち、記録的な繁殖期になったようです。
この嬉しいニュースは、あのナショナルジオグラフィックでも取り上げられていました!
【残り147羽の鳥カカポに「記録的な繁殖期」、NZ】(クリックで、ナショジオの記事へ飛びます。)
そしてカカポの保護活動は現在も続いています。
去年、産まれたヒナの数を合わせると、現在のカカポの数はようやく200羽を超えた事になります。
カカポ界の有名鳥「シロッコ」
そんなカカポの保護活動を知ってもらおうと、親善大使として度々一般公開されているカカポがいます。
彼の名前は「シロッコ」
シロッコは、幼い頃に病気になって人間に看病してもらった結果、人間を怖がらないどころか、好きになってしまったそうです。
そこでニュージーランド政府が、カカポの保護活動の大切さを伝える目的で、親善大使として派遣するようになったスーパースターなカカポなんです。(一般公開は数年に一度らしいです。)
- 名前の由来:北アフリカの熱い砂漠の風にちなんで(情熱的な性格なんでしょうか?)
- 孵化した日:1997年3月23日(現在23歳)
- 性別:男性(まだ女性との交尾に関心がないらしいです)
- 好きな食べ物:特別なオウムのペレット、とうもろこし、にんじん、ブロッコリー、クマラ、マカダミアナッツ、(他、原産の木の葉や果実を食べています。)
ツイッターアカウントがあるカカポ「シロッコ」
シロッコ君は、なんとツイッターアカウントを持っているんです。
シロッコ君は普段はフィヨルドランド島で、他のカカポと一緒に野生で暮らしています。
そして数年に一度だけ人間界にやってくるんです。(シロッコ君の位置を特定するトランスミッターが故障したりすると、なかなか人間界にやっては来れないようです。見つけるのに苦労するから。)
そんなシロッコ君の動向がわかるのが、このツイッターアカウントです。(いつ一般公開があるのか報告してくれる)
カカポが気になったなら、フォローするしかないですね!
カカポは日本で会えるの?
一時期は絶滅するかもしれないと思われていたカカポ。
現在も保護活動が行われているとはいえ、なかなか数は増えていません。
なので、カカポはニュージーランドの保護区内で厳重に保護されていて、日本でカカポに会える場所はありません。
カカポのいる動物園は?
もちろんカカポが飼われている動物園もありません。
一般人がカカポに会うには、シロッコ君がやってくる日に合わせてニュージーランドに行くしかありません。
カカポの値段
カカポは取引もされていないので、カカポ自体の値段はわかりません。
ですが、カカポに会いに行く為にニュージーランドへ行くとしたらいくらになるか、一瞬だけ調べてみました。
ニュージーランドに行くだけなら格安航空券(往復)で¥43596?
直行便でホテル5泊付きなどになると¥528,200?
ピンキリっ!!
現在もカカポの数は安心できない
2019年は大繁殖したカカポですが、それでもようやく200羽を超える数で、まだまだ気の抜けない状況が続いています。
ニュージーランド政府は、現在も小さな島を丸ごとカカポの為の島にして保護活動に励んでいます。
大きく数を減らしてしまったカカポは、近親交配が進んで、種の遺伝子的に弱くなっていて、それが繁殖を難しくしている一因となっています。
現在も、人工孵化や人間がお世話をしたりして、懸命な保護活動が行われていますが、200羽足らずでは何かあったときには、また一気に絶滅の道に進んでしまう可能性があるんです。
カカポの保護活動を支援できる
そんなカカポの保護活動を日本にいながら応援する事もできます。
【カカポ保護活動の支援を受け付けているホームページ(英語)】
手順は、こちらのまとめに載ってました。
【カカポ保護活動に支援する方法をまとめてくれています】
※現在、コロナウィルスの関係で支援の手続き自体はできるけど、対応する人がいないから遅れるみたいな事が書いてありましたので、ご確認ください。
カカポに会うには
ここまで読んでくれた方なら、きっと
カカポに会いたい
カカポに会いたい
カカポに会いたーい
と思っているでしょうか?
ですが、一般人がカカポに会う手段はカカポ界のスーパースター「シロッコ」君がやってくるのを待つしかありません。
なので、今の僕達に出来る事は、シロッコ君のツイッターをフォローしていつでも最新の情報を得られるようにするか、もうニュージーランドに住んじゃうか…です。
カカポってどんな動物?まとめ
皆さん、カカポについて知る事が出来たでしょうか?
今回の記事は、【Kakapo Recovery】と書籍【ねずみに支配された島】から、カカポの事だけを中心にまとめた内容になっています。
これをキッカケに多くの方に、カカポの魅力が伝われば幸いです。
今回はカカポの事をお伝えしましたが、日本にも日本だけの動物達がいる事を知っていましたか?
日本にもカカポに負けず劣らずの魅力的な生き物がいる事を知って、一緒に共存していきたいですね。
↓の関連記事で、日本の固有種についてまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。