生態と言っても、アレもコレも取り上げてしまうと、
それこそ1冊の本くらいのボリュームになってしまうので…
イラストでわかる「ズワイガニの生態」
メスガニのお腹に抱えられている卵が孵化し、赤ちゃんが産まれます。
その数は、なんと約50,000尾!!
プレゾエア
孵化したばかりの赤ちゃんは、カニの姿をしていません!
プレゾエアと呼ばれるミジンコのような姿をしています。
その大きさは3mm程度、海中を浮遊して過ごします。
約1時間後には、脱皮をして、次の姿に成長します!
ゾエア1期
ズワイガニの赤ちゃんは、プレゾエアから成長すると、ゾエア1期と呼ばれる姿になります。
この段階でも、カニらしさはありません。
その約1ヶ月後に、さらに脱皮を行い、ゾエア2期と呼ばれる姿になります。
ゾエア2期
ゾエア1期になったズワイガニの赤ちゃんは、約1ヶ月後に脱皮をし、ゾエア2期に成長します。
ゾエア2期の幼生は、約1ヶ月後に再び脱皮を行い、次の姿に成長します!
メガロパ
ゾエア2期のズワイガニの赤ちゃんが脱皮すると、メガロパという姿に変態します。
ほんの少しカニの姿を感じさせつつも、浮遊生活は変わらず、比較的海底近くで生活している。
約1?3ヶ月間をメガロパで過ごした後に、脱皮を行い「稚ガニ」となって海底で生活するようになります!
稚ガニ
メガロパから成長し、稚ガニと呼ばれる姿になったズワイガニの赤ちゃん…
甲羅の幅3mmの小さな姿です。
大人に比べれば、まだまだ立派なカニとは言えませんが、
ようやくカニらしくなったって感じですね!
稚ガニの成長
今までの成長と同じように、稚ガニは脱皮を繰り返し、大きくなっていきます。
- 甲羅の幅が5cm未満の頃までは、1年に数回脱皮を行い、
- 5cm以上になると、1年に1回だけ脱皮します。
- 5cm以上のオスガニの脱皮時期は、およそ9?10月頃だそうです。
ついに大人に
ズワイガニは、メスとオスとで、大人になる時期が異なっていて…
メスの場合
稚ガニから10回の脱皮を繰り返し、「第11齢期」になると産卵を行えるようになります!
親ガニになったメスガニは、それ以降は脱皮を行いません。(それ以上、大きくならない)
初めての卵を産む
メスガニは脱皮直後に、オスガニと交尾を行い、続いて産卵を行う。(初産卵と呼ばれています。)
- 8月?11月(初産卵)
- 2月?3月(経産卵)
産卵を終えたメスガニは、卵が孵化するまでの間、卵をお腹に抱えます。
初産卵からズワイガニの赤ちゃんが孵化するのは、初産卵を行なった翌々年の2?3月頃。
赤ちゃんが産まれた後は
ズワイガニの赤ちゃんが孵化した直後に、機会があれば、もう一度オスガニと交尾を行い、2回目の産卵を行う。(経産卵と呼ばれます。)
経産卵を終えたメスガニは、また卵をお腹に抱え、卵が孵化するのは、翌年の2?3ヶ月頃です。
2度目の出産を終えたら
孵化が終わると、すぐ次の産卵を行う(機会があれば交尾を行い、交尾が出来なくても、オスの精子を身体に保存しているので、すぐに産卵も行える)
その後も毎年2?3月ごろに産卵を行い、生涯に5?6回程度の産卵を行い、寿命となる。
オスガニの場合
オスガニの大人になる年数が違う理由
オスガニには、大きなハサミを持つものと、小さいハサミを持つものがいます。
このハサミが大人になる上で、とても重要な意味を持っていて…
- 大きなハサミを持つオスガニは、それ以降は脱皮を行わず、親ガニになります。
- 小さいハサミを持つオスガニは、ハサミが大きくなるまで脱皮を繰り返します。
オスガニの脱皮は早いもので9回(第10齢期)で終わり、遅いもので12回(第13齢期)で終わる。
オスガニの大きさがバラバラなのは…
脱皮が終わったオスガニはそれ以降大きくならず、甲羅が徐々に硬くなっていきます。
脱皮を行えば、甲羅も大きくなるので、オスガニの大きさにはかなり個体差があるんですね!
そして、最終脱皮から5?6年程度で寿命を迎えます…
おまけ:ズワイガニの食べるもの
主に魚類(死んで海底に落ちた魚)、クモヒトデ、エビ類、イカ類、ゴカイ類など
イラストでわかる「ズワイガニの生態」まとめ
以上が、ズワイガニが生まれてから大人になるまでの一生でした。
ズワイガニが大人になるまでは、約10年の月日が必要だという事がわかりました。
そんな10年の結晶を、僕達は食べているんですね…(美味しいはずだ)
食べ物としての印象が強い「ズワイガニ」ですが、
食べ物である前に、「生きとし生けるもの」だと言う事を忘れないようにしたいですね。