死にたくなった画家が、それでも生きている理由。

死にたくなった画家が、それでも生きている理由。

死にたいのに、明日は来るし、

死にたいのに、お腹は空いて、結局食べちゃうし、

死にたいのに、痛いのは嫌で・・・

結局、生きています。

 

でも、死にたい気持ちは、自分の生き方を歪めてしまう。

死にたい気持ちに囚われる事無くいれたら、どんなに楽しいだろう。

僕は学生時代には、どんな目にあっても死にたいとは思わなかったんだけど、自分の好きな事・・・絵を描き始めたら、だんだん死にたくなったんです。

 

動物の絵を描いています。

僕の名前は、おざきしょうたといいます。

動物の絵を描いて、画家活動をしています。

絵を見てくれる人には好印象で、世界最大級の水族館「海遊館」でも作品を展示した事があるんです。

 

傍から見れば、順風満帆な活動に見えたかもしれないけれど、ある時から、僕は絵を描く事で死にたくなったんです。

 

動物に思いを寄せる

すべての画家がそうかは知りませんが、僕は対象を描く時、その対象をよく知りたくなるんです。

対象を知って、よく観察して、その対象の魅力を自分の中に置き換える・・・

そうして絵が生まれてくるんです。

 

僕は、動物を描いているので、動物を観察し知っていきました。

その中に、絶滅動物人の歴史の中で殺されていった動物達の事今まさに絶滅しようとしている動物達の事を知ったんです。

 

感情の暴走

その事実が、動物の絵を描いていた僕には衝撃的で、怒りやら悲しみやら虚しさやら・・・感情がごちゃ混ぜになったんです。

どうにか動物達を救いたい・・・

 

動物を殺したくないから、ベジタリアンになる?

野菜も農薬で虫を殺すし、害獣として動物達を殺しているよ?

なら、何も食べない?

 

食べなくても、着る服は植物から作られてるし、

化学繊維にしても作るには電気がいて、

その電気は森を切り開いて作った発電所から作っているんだよ?

 

住む家だって、木があった場所を切り開いて、

他に生き物もいただろうに・・・

そんなのお構いなしで、今そこにいるんだよ?

 

死んだ方がいいのでは?

動物を救いたいと思えば思うほど、僕がいなくなることが一番の解決方法ではないかと思い、その時に初めて「死にたい」と思ったんです。

でも、死ねなかった。

死ぬ勇気もなかった。

死ぬ事が怖かった。

 

いつ死んでもいいけれど

動物の世界を知って、動物達はいつも死と隣り合わせ。

死は身近にあるもんだと思う様になっていたので、いつ死んでもいいと思っていたんですが、

自殺するほどの死にたいじゃなくて・・・

それでも死にたいと思っていて、でも生きていて、ずっと苦しい時期がありました。

 

死にたいと思って生きる

生きているのに、死にたいんです。

これって何もしたくないんですよね。

僕の場合、動物を救いたいのに、自分が生きていたら、動物から奪う事になるのに、それでも生きていて・・・

何の為に生きているんだろう・・・

車が突っ込んできてくれないかなぁ・・・なんて思う事もありました。

 

死ぬなら死ね

うだうだ言ってないで、死ぬなら死ね。

死にたくないなら、死ぬまで生きろ。

 

死にたいと思いながらも、動物達を描いていて、動物を通して自分と向き合っていると、そんな声が聞こえてきました。

 

死にたい?生きたい?

動物の為に死にたいならさっさと死んで、動物達の為になりなさい。

生きたいなら、動物の命を奪う事は生きる宿命だから、受け入れながらも動物の事を考えなさい。

 

そんな心の声。

 

僕は生きたかった。

死んで何もかも失うよりも、動物達がいるこの世界で生きたかったんです。

たとえ、僕が生きる為に動物達の命を奪っているとしても・・・

 

納得させるしかない

生命の誕生はわからないけれど、細胞内共生という生命による初めての捕食が行われて、生命は進化していったという説があるそうです。

細胞が他の細胞を食べる→消化されずに食べられた細胞の中で生きる

この現象があったからこそ、生命は進化していったんだそうです。

 

つまり・・・食う食われるは生命の宿命。何かを奪い、糧にするのは、生命そのものを説明する行為だったんです。

 

生命誕生の歴史から、生命は奪ってきたんですね。

そして、それが生命の多様性を・・・今の動物達を生み出してきたんですね。

 

その事実があって、僕は産まれてきたんだ。

納得するしかない。

それでも嫌なら、やっぱり死ぬしかない。でも、死ねないから生きるしかない。それなら納得するしかない。

 

そうして僕は生きている

池に来るカモを眺めて、生命を感じる。

カモを食べる事はあまりないけれど、ニワトリは食べている。

カモを見て癒されている自分。

ニワトリを食べて命を繋いでいる自分。

 

なんて勝手なんだって思うけれど、みんな勝手なんだって最近は思う様になりました。

それは人間だけじゃなくて、動物もそう。生命は勝手なんだって思う様になったんです。

 

せめて綺麗な気持ちでいたいなぁと思う

どんな清らかに感じる人でさえ、自分の命の為に何かを奪っているんです。

生きる事は奪う事。

そこに綺麗も汚いも、良いも悪いも無いのかも知れないけれど、

僕達人間はそこに綺麗や汚いや、良いや悪いと感情を抱く。

だから、せめて綺麗な気持ちで生きたいと思うんです。

 

殺される側からしたら、たまったもんじゃないけれど・・・

それでも感謝して、ありがとうと言って、命を繋ぎたい。

 

生命って勝手ですね。