動物の絵を描く画家が動物のことを語らない理由

動物の絵を描く画家が動物のことを語らない理由

僕は動物を描いている画家です。

アフリカゾウの絵

動物達を描いているので、動物達のいる景色を大切して共に生きたいと思っています。

だからこそ、環境に対して、僕達人間は意識していかなければいけないと思っているんです。それが人間の為にもなるのだから。


けれど、僕は動物達のことをあまり語らない。

動物とその人との感情の触れ合いを大切にして欲しいと思っているからだ。

動物の生態は●●●でと知識で語ることは簡単だ。(研究者の方の多くが観察でまとめてくれているから)

これを人間に置き換えて欲しい。

いくら観察していても、いくら長い間つきあっていたとしても、あなたはこうゆう人間だと言われると、いい気がしないんじゃないだろうか?

 

僕はそれを動物達にも感じている。

動物をくくるようなことはしたくないんです。

勿論、生態を調べて伝えることが無意味と言っているわけではありません。それも大切。

 

だけど、人間と動物は本来着かず離れず関わりあってきた存在同士だと思っているので、今の生態だけを知る生きもの感覚は、ただの雑学の要素でしかないと思っています。

今、児童書の生きもの分野では、「ざんねんないきもの事典」という本が流行っています。

自然との関わりが薄くなった現代で、知識だけ詰め込むのは危険だと僕は思うんです。

純粋な子は、生きものって残念なんだ・・・と素直に受け取ってしまうかも知れません。

そのまま大人になれば、生きもの軽視を疑うことも無いかも知れません。(生きものを凄いと思う環境が身近に無いのだから)

 

生きものの凄さを感じるのは、やっぱり幼少期の自然との触れ合いだと僕は思っています。

特にそれを意識しなくても、自然の中で遊んでいると、生きものの凄さを感じることができたんです。

 

実体験が大切で、本はあくまで補助の役割。

本ですべては学べないし、本はすべてを教えてくれない。

 

動物は見れば見るほど、それぞれに個性のある顔をしています。

性格だって、それぞれなんです。

生活様式は観察の結果、ある程度の型にはまった物があるかもしれませんが、それはあくまで種としての生き方を学んだのであって、動物の一体一体を知ったわけではないんです。

 

動物達の生活様式は、図鑑やネット、TVで紹介されることが多いです。

僕がわざわざ言う必要はないし、研究者でもないので言える立場でもありません。

 

僕が動物を描き、大切にしてもらいたいのは、動物達と向き合うことなんです。

この世界で、あなたがこの記事を読んでいるこの瞬間でも繰り広げられている動物達の世界があることを感じとり、あなたの日々の生活をしっかりと生きて欲しいと思っています。

 

動物を知ることは生きること。

動物は雑学の対象ではいけないと、僕は思っています。

 

だから、僕は動物達の事を語りません。

いつか出会う動物達の世界を見た時、初めて語れることができると思っているし、それが責任ある動物語りだと思うから。


語らないけど、考える

動物の絵のその先に、見たこともない世界が広がっている。

それを想像するだけで、日々の生活がとても楽しいものになると思っています。それは気休めなんかじゃないんです。

 

想像力があれば、この世界は、ずっと楽しいものになるし、より明確に生きることができるんです。

僕が絵を描く上で大切にしていることは、想像力を育むこと。

絵では終わらないその先の世界を感じて欲しい。

そう思って、動物のことは語らないけど、動物の絵を描いています。

 

ただ見た人を良い気持ちにするだけの絵ではなく、この世界にワクワクできる、知れば知るほど強くなれる絵を、そんな動物の絵を描いているんです。