動物と絵と僕【後編】

動物と絵と僕【後編】

スポンジでとんとんと動物達を表現し始め、動物と人間との歴史に、生命としての宿命に悩み、絵を描く事を虚しいと感じ、ホモ・サピエンスとして生きる為に生きようと、農耕を始めた僕は、それでも絵を描く事に戻ってきた。

絵を描くだけでは、自分自身生きていないと感じていて、それを解消する為に、野菜を育てた。

そして、人間社会ではお金が絶対的に必要な物で、それを頂く手段で、何が自分に出来るかを考えた時に、それは野菜を育てて売る事ではなく、動物達を表現する事がいいと思いました。

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けれど、決意を新たにしたのはいいけど、そんなに上手い事行かなかったんです。


スポンジとんとんをし始めた頃を思い出せ!

よし!動物達を表現する事で、社会と関わっていこう!そう決めた僕は、動物達を表現し始めます。

スポンジをとんとんし始めた頃の純粋な気持ちを取り戻すかの様に、一心不乱に表現に向き合い、うまれたものが…

【おさかな100匹】

100匹のお魚達でした。

何故、魚だったのか…。今となっては理由がわかりませんが、その時は導かれる様にお魚を100種描く事に向き合っていました。


お世話になった方にご相談

お魚100種を描いた僕は、以前より僕の表現を気に入ってくださっていたデザイン会社を経営されていた方(以下Kさん)に持ち込み、スポンジを一度は手放した理由、そして再起した理由をお話し、このお魚100種で何か出来ませんか?と相談したのでした。

そんな自分勝手な相談にも、親身に乗っていただき、それなら海遊館での展示を目指して、今年はTONTON ANIMALSでビジネスの年にしよう!と、そう目標を立てたのでした。


人と人との縁があって、繋がっていく

目標を決めて、僕は何をしたかというと、正直何も出来なかったんです。

海遊館での展示は、Kさんのお陰で、実現出来たと言っても過言ではない出来事でした。

海遊館に関わりのある方を見つけて、アポを取って、海遊館に直接交渉に行く…、全てをKさんにお任せする事になっていました。

そうやって人と人との繋がりで物事が実現していく様子を見ていて、これがよく本で書いてあった、人の縁と言う物なんだ…と、実感しました。


実現する海遊館での展示

そうしてたくさんの人との出会いがあり、海遊館での展示が実現する事になります。

水槽の隣で行う展示は、それは素敵な空間でした。


でも、自信を無くす

この海遊館での展示は、僕にとってとても意味のある物で、とても充実した物だったのは確かなんですが、ここで僕は自信を無くしてしまいます。

それは関わってくださった皆様に、感謝の気持ちをちゃんと伝えられなかったから。

自分の展示で、自分で決めた目標だったのに、僕がした事と言えば、展示の為の動物表現だけだった事…。

気持ちを新たに…と思っていたけれど、その気持ちと言うのは、「僕と動物を表現する事」の間の気持ちでしか無かった事…。


たくさんの人が協力してくれました

海遊館での展示期間中は、展示だけではなく、ワークショップも行うと言う事で、ワークショップのスタッフに、たくさんのボランティアの皆さんがご参加してくれました。

販売するグッズの幅を広げる為と、展示作品は原画ではなく、出力した物だった為、原画のデータ化に当たって日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社さんにもご協力頂きました。

【スマホケースOneCover】

その際に、制作したスマホカバーは、今でも上記のサイトで、公開いただいています。

それもこれも、ご相談させていただいたKさんのお力があっての物で、そこに僕自身の力なんて何も無かったと思っていました。

だからこそ、自分の展示だったのに、何故か他人事の様な、居心地の悪さがありました。


申し訳ない?ありがとうございますでしょ。

今でも人間力があるとは言えませんが、当時はもっと無かった。

結局、僕が悩んでいた事は、自分の表現についてだけで、社会の中でどうあるべきかなんてこれっぽちも考える事が出来ていなかったから、

Kさんに相談して、海遊館の実現に漕ぎ付けて、そのKさんの社会での立ち位置に、僕は自分の事しか考えていなかった事実を実感し、とても恥ずかしく、申し訳なく思ってしまったんです。

申し訳ないと思う場面が、ありがとうございますと言う場面だったと、今だと思えるのですが、当時はただただ皆さんがこんなに尽力してくださるのが、申し訳なかったんです。


結局、Kさん

そう言った事も、海遊館での展示後に、Kさんに言われて気づかされ、僕はつくづくどうしようもない人間だったと、本当に恥ずかしくなりました。

でも、Kさんのお陰で、皆さんにお礼を言う場を取り持って貰う事が出来、海遊館での展示でお世話になった方々へお礼を言う事が出来ました。

この一件で、僕は人と人との関係性についても、考える様になり、人間的に少し成長出来た…と思いたいんですけどね…。


表現ではなく、人間力を養う機会になった

海遊館での展示は、動物達を表現すると言う事よりも、僕の人間に対する考えを改めさせ、僕の人間力を鍛える機会となりました。

だからと言って、聖人になれた!と言うわけではなく、自分に対してしてくれた行為に、ありがとうと言える様になったと言う…。

こうして記事に書いているだけで、大丈夫かなこの人と思われるような進歩なんですけどね。


動物、動物、動物!だんだん苦しくなくなる。

人間でありながら、動物達に思いを寄せすぎていて、自分が人間だった事を忘れていた僕は、海遊館での展示をキッカケに人間としてどう動物達と向き合うかを考える様になります。

と言いながらも、今も基本的に動物寄りの気持ちであろうとしている僕がいるんですが、

それでも、人間としてどうしていくべきかを考える様になりました。

そうなると、不思議と表現も、スポンジとんとんをし始めた頃の、雰囲気を取り戻しながらも、表現力の上達により、自分の目指すべき物へと近づいていった気がしました。


Kさんに相談して良かった

僕は、あまり人の気持ちを考えられる人間じゃない…事も無く、寧ろ考えすぎて、基本的にあまり発言出来ないタイプだったんですが、

動物達を思う様になってからは、人の気持ちなんて知るもんかぐらいに思っていました。今でも動物達が関わると、そんな気持ちになってしまいがちなので、気をつけないといけないのですが…。

それがKさんのお陰で、僕は人間として社会に加わりたいと思う様になれたんです。加わり方は、やっぱり動物達を表現する事で…なんですけどね。


改めて動物達を表現する事を考え始める

Kさんとそのお陰で関わる事が出来た全ての人達との出会いが、僕を人間にしてくれて、

僕は改めて動物達を表現する事を考え始めるのでした。

そう思うと、僕にとって動物達を表現する事は、生き方そのものになっている事に気づきました。

社会の中で、僕に出来る事はそれしかないと…。

Kさんも、僕を知らない皆さんも、僕の表現があったからこそ、海遊館の展示を好意的に手伝ってくれた…そう言って貰えました。

だから、僕は自分の表現にようやく自信を持つ事が出来たんです。


ようやくスタートラインに立ったような気持ち

Kさんとは、僕がスポンジをとんとんし始めて、アートイベントに出始めた時からの関係で、

そのKさんと、ここまで長い間お付き合い出来た事が、僕にとっては凄く価値ある事だったと実感しています。

そんなKさんのお陰で実現出来た海遊館での展示は、ようやく僕をスタートラインに立たせてくれた、本当に大切な機会でした。