動物と絵と僕【前編】

動物と絵と僕【前編】

スポンジでとんとんされてうまれた動物達「TONTON ANIMALS」を表現してきて、動物達との関係に悩み、絵で何が出来るんだろうと思い悩んできたこれまでの生活。

過去に描いた動物達を振り返りながら、動物達を表現する事について、改めて振り返りたいと思います。


デザインが好きだったあの頃

初めてのとんとんアニマルズ
描き始めのとんとんアニマルズ
デザイン要素、絵本的な要素を重視していた頃のとんとんアニマルズ

とんとんアニマルズを表現しようと思った当初は、動物達にそこまでの思いは無く、ただ純粋に姿形が特徴的で、絵にしたら凄く良い表現になるだろうなぁと言った感情しか持っていませんでした。

この頃の絵は、当時純粋に描く事を楽しんでいたのが、伝わってきて、今見ても良い表現になっているなぁと、もはや描けぬこの頃の表現を、凄く客観的に見ています。


デフォルメ加減に悩み始める

ちょっと表現力が上がってきた頃のとんとんアニマルズ「ビーバー」
今でも絶大な人気を誇るとんとんアニマルズ「カバ」

とんとんアニマルズを表現し始めた頃は、凄く楽しくて、描けば描く程に楽しさも増していく感覚だったのですが、半年を過ぎたあたりから、デフォルメ加減に悩む様になりました。

ずっと同じ場所には留まれない。描けば描くほど、表現力が上がって、動物達のデフォルメもそれに合わせて少しづつ変えていかなければいけないのです。

でも、そんなに器用な人間でもなかったんですよね。意図的にそうすると言うよりも、自然とそうなってしまう感覚です。

けれど、まだ動物達の形とスポンジとんとんの塗りのバランスが良くて、この時期の動物達も未だに熱い支持を貰っています。


敬意=リアル表現だと思っていたあの頃

リアル志向になっていった頃のとんとんアニマルズ
気持ち的には一番苦しい時期のとんとんアニマルズ

動物達を描けば描く程、動物達を知り、敬意を持って表現しなければいけないと思う様になっていったこの時期。

敬意ある表現とは、動物達をありのままに描く事だ!リアルに描く事だ!と思っていた時期でもありました。

ですが、表現力が全くついていかず、仕上がってくる表現は、妙に気持ち悪い印象。

それはリアルを目指しながらも行われてしまう中途半端なデフォルメと、とんとんの塗りのバランスが、全くかみ合っていなかったんだと思います。

けれど、どんな風に描かれても、動物達の元々持っているパワーが凄いので、それなりに様になってしまうんです・・・。

だからこそ動物達に申し訳なかった・・・。実際の動物達は、自分の表現よりも、もっと魅力的なのに、そう感じているのに、それを表現出来ない自分が悔しかった。


前編のまとめ

とんとんアニマルズを描き始めた当初の楽しさは、半年も経たずに消えうせてしまい、早々に表現に行き詰まりを感じていた僕。

描けば描く程に、動物達に心を寄せて、動物達を描く事とは何かを考え始めるが、表現力が全く追いつかず、描けば描く程に、自分を責める酷い時期に足を突っ込もうとしていた。

僕は当時を振り返り、こう思う。

「どうしようもなかった」

動物達に対して、申し訳ないと思ってしまったんだから、この気持ちを無視して動物達を描く事は出来なかった。そんな風に割り切れる人間じゃなかったんだと・・・。

描き始めた当初の表現でも、かなり沢山の人が声をかけてくれて、表現自体の評判は、とても良かったと思います。そのまま突き進む事が出来れば、それはそれで何か爪痕を残せたのかも知れませんが、遅かれ早かれ、動物達に対して申し訳ないと感じる事になっていたと、今までを振り返ると思います。

この頃は、本当に動物と絵と僕(人間)の事しか考えていなかったなぁと・・・。