動物と絵と僕【終編】

動物と絵と僕【終編】

自分の良いところも、悪いところも学んだ海遊館での展示。

この経験を無駄にしないために、僕は次のステップを目指します。

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人と自然の博物館で、絵の展示を行う

僕の地元には、昔から博物館があって、しかも名前が「人と自然の博物館」って言うんだから、

僕の目指す自然との共生にピッタリの場所だ!

それじゃあ、次はここでTONTON ANIMALSを展示しようと思い立ったのでした。


展示の交渉は、自分で

人と自然の博物館は、「みんなの展示」と言う企画を用意していて、かなりオープンな印象だったのですが、

自分の表現が受け入れてもらえるのか・・・凄く不安でした。

アポをとって、直接交渉して・・・今度は自分でやる事が出来ました。かなり緊張しました・・・


人と自然の博物館で、とんとんアニマルズ

そうして、人と自然の博物館での展示が実現する事になります!

関連サイト:人と自然の博物館「おざきしょうた:とんとんアニマル展-アートから見る動物達の世界-」(既に展示は終わっています)

この展示は、動物達の絵と、その生態や置かれた状況、人間との関係等を自分なりに文章にして合わせて展示を行いました。


とんとんアニマルズが表現している物とは?

人と自然の博物館での展示は、アートの部分を担う絵と、科学を担う生態紹介を自分なりに混ぜた物にしたのですが、これがとても難しかった。

特に、生態紹介の部分。今は沢山の動物紹介本が出版されていて、情報を得る事には困らないのですが、それを絵に添えるだけの行為にどれだけ意味があるんだろうか?

僕の表現は真実を描こうとしながらも、出来栄えを重視して省略する部分もあり、デフォルメする部分もあり、写真の持つ役割を担う事は出来ないと、常々感じていました。この展示をきっかけに、とんとんアニマルズは、動物達の何を表現しているのか・・・動物達の何を大切思って、僕は表現をしているのか・・・

自分の表現をより深く見つめなおす機会になりました。


人はすぐに変われない、表現も同じ

動物達の何を表現しているのか・・・考えながらも表現にそこまでの変化は無かった
動物達同士の関係性を表した表現をしながらも、根本はあまり変わっていない

動物達の何を表現しているのかを考えながら、これと言う答えも出せぬまま、それでも動物達を表現する。

タコとカタツムリは同じ軟体動物と言う事で、一緒に描いてみたり、

ナイルワニとナイルチドリの共生関係を描いてみたり・・・


その知識、合ってます?

ナイルチドリは、ナイルワニの口に残った肉片をついばむと紹介されているのですが、この習性は正確な記録が無い為、単なる言い伝えに過ぎないそうです。

本当にただの言い伝えなのか、それとも本当に口の中に入るのか?

これを確かめるには、実際にナイルチドリとナイルワニを観察しなければいけなくて、動画ならまだしも、写真で確かめるのも危うい事だと思います。


写真は真実を写すのだけれど

写真は、その場で起こったありのままを写すのが基本なのだけれど、

最近は画像編集技術の発達により、合成もあっという間に出来てしまいます。

なので、写真に写った物が本当に真実なのか・・・それを確かめる事から始めなければいけないんです。

そしてそれを確かめるのも、実際に自分の目で見る事が最も確実な方法なんです。


疑い出すと、キリが無い。信じ過ぎると、騙される。

動物達の事を伝える時、何が本当で、何が嘘なのか・・・

特にネットで得た知識は、その部分が曖昧なんです。

だから実際に観察した人の本等があれば、大変ありがたいのですが、すべての動物に、そう言った本があるわけではなく・・・

観察もしていない僕が、動物達の事を、こうゆう動物です!と紹介するのは、動物達に対して失礼なんじゃないかと思いました。


自分の中で、真実なのは何か?

それで、自分の表現している物で、自分の中で真実な物とは?

もう疑う余地すらない、自分で納得のいく物は何かと考えた時。

それは動物を描き始めた頃から思っていた「動物達の姿形の美しさ」だったんです。


ただただ美しいと思って描く

動物達は生きている。それが美しい。
姿形。それは生きる事を体現した物。

「動物達の姿形の美しさ」

動物を描く事に悩んでいる間、沢山の自然環境の本や生命の本、動物達の本を読みました。

そして動物達の姿形は、動物達が生きようとした結果の集大成だと言う確信を得ました。


姿形は、ありのままの真実

姿形に、嘘偽りは無い。

そこにはその動物の全てが現れている。

僕はそこに惹かれている事に、それを表現したい事に改めて気づいたんです。


飾りたくなる絵を描こう

今までは、動物達だけを描いていましたが、

作品一つ一つが、僕の大切だと思っている世界を感じさせる物にしようと、「飾りたくなる絵」をテーマに動物達を表現しようと思いました。

僕は動物達の姿形に惚れ込んでいる、それをひたすらに追求しようと。


画家になった僕

動物達の生態を伝える事は、とても大切で、知らないより知っていた方がいいと僕は思います。けれど、それを伝えるのは僕の出来る事では無かった。

動物達を描き始めて8年は経ちます。この8年は、自分に出来る事・出来ない事を知っていく期間だった。それはまだ続いていく事なのかも知れませんが、

動物達を表現する事、それが僕のしたい事で、それが出来る表現も見つける事が出来た。

沢山の機会を経て、僕は本当に絵を描く人、画家になった。動物達を描く画家に。(2018.09.05)