
「道端で動かない鳥を見かけたら、どうしたらいいの?」
その答えは「何もしない」です。
まず、野鳥を捕獲したり飼う事は、禁止されています。
そして大抵の場合は、動かない鳥をそのままにしてても問題ないからです。
鳥が道端で動かない理由
鳥が道端で動かずにいる理由は3つほど考えられます。
鳥が道端で動かない3つの理由
- ひなの可能性
- 軽い脳しんとうの可能性
- ケガや病気の可能性
ひなの可能性
動かない鳥を見た時期が4月?8月あたりなら、その鳥はひなの可能性があります。
巣立ったばかりのひなは、その場でじっとしている事が多いんです。
またひなは飛ぶ練習をしている段階かもしれないので、ひなの成長を思うのなら、やっぱり何もしない方がいいですね。
軽い脳しんとうの可能性
窓ガラスなどにぶつかって、軽い脳しんとうを起こしている場合も鳥は動きません。
動きたくても動けないんです。
ケガさえしていなければ、その内飛べるようになるので、この場合も何もしない方が鳥の為ですね。
ケガや病気の可能性
鳥が動かない原因に、ケガや病気で動けないというのもあると思います。
ケガをしているなら、保護したくなりますが、そこはグッと堪えてやっぱり何もしない方がいいです。
何もしないワケ
野生を尊重するなら、人間が手を出さないのは、当然の事です。
ただ人間も自然の一部と考えるなら、保護も仕方がないと思います。
人間という捕食者に捕まった鳥は、それが愛情だろうが殺意だろうが、人間の思うがままにされるだけです。(人間の法律で、捕まえるのは禁止されていますけどね)
鳥にとって、どちらがいいのかはわかりません。
こんな時、鳥と会話ができたらいいのにって思います。
子どもがひなを持って帰ってきたら
子どもがひなを捕まえてきてしまったら、元の場所へ早く戻してあげてください。
「親鳥が探しているから」とちゃんと子どもには伝えておきましょう。
また、ひながケガをしているようなら、一時的に面倒を見る必要もあるかもしれません。
その場合は各都道府県の野生鳥獣担当機関に連絡して相談してください。
(外部サイト:日本野鳥の会ホームページ野生鳥獣担当機関連絡先一覧)
おまけの死生観
自然界の死は、他の命に役立っています。
そこで死んでしまう命があったとしても、それは別の命に変わるだけです。
自然界には無駄な死は一つもありません。
ですが、死ぬという事は生命の宿命だと思います。
亡くなった命も、それまで何かの死で生きてきたのだから、その死の順番が回ってきただけの事なんです。
もちろん、誰かが死んでしまうのは悲しい事です。
できれば、自分の周りで起こってほしくない、見たくないと思う人が多いかと思います。
死ぬ為に生まれてくるとも言えるだろうし、生まれたからこそ死んでしまうんです。
自然には死が溢れている
自然を観察していると、そこらへんに死が溢れています。
今まで動いていた物が、動かなくなって、消えていく…
当たり前だけど、目の前で起きると、心が揺さぶられます。
だからこそ全ての生命には、せめてその時まで自分らしく生きて欲しいと思うんです。
意思疎通ができない相手に、一方的な善意を押し付けるのは違うかなと人間社会が成熟した今だから思います。
原子時代なら「やったー楽して鶏肉ゲットー」って感情が湧き上がってくるかもですね。
この記事は、野鳥の保護、生と死の話が関わってくるので、どうしても死生観ぽい話題も出す必要があるかなと思いました。
考えがまとめられるほど、死生観があるわけではないですが、おまけ話として添えさせていただきます。
「何もしない選択」に納得いただける説明になれば幸いです。
保護する気持ちも大切だけど
動かない鳥を見かけても、ここまでは何もしない選択をオススメしてきました。
ただ、あなたに救える知識と力があるなら、また話は別かもしれません。
自分で学び、生命を救いたい為に、技術を磨いてきたあなたなら、保護という選択肢も当然のように思います。
保護しようとする気持ちは大切ですが、何かを救おうとするには、知識や技術、時には覚悟だって必要です。
可哀想と思う気持ちだけでは、何も救えない事を、僕たちは刻み込んでおかないといけないですね。
最後に
もしあなたが動かない鳥を見かけたとして、何もしなかったとしても保護したとしても、その行為が間違っているかどうかは誰にもわかりません。
僕は、あなたがどちらの行為を選んだとしても、根本の考えに「動物を尊重したい」という気持ちがあるなら、その行為は間違っていたとは思いません。
僕たちはついつい白黒つけたくなってしまいますが「生命に対しての考え」ほど、グレーな事が多い問題はないと思います。誰かに答えを求めれば求めるほど、意見が対立していく事を忘れないでください。