アオジは、北海道の林や本州の山地で繁殖し、秋冬は積雪のない低地のやぶに移動する鳥です。
一方、クロジは北海道、本州の高山で繁殖し、秋冬は積雪のない地域の暗い林内のやぶに移動する鳥です。
- アオジとクロジのメスは似ている
- アオジの方がよく見られる
- 同じ場所で見られることもある
以上のことから、アオジのメスだと思っていたら、実はクロジのメスだったなんてこともよくあります。
よく似たアオジとクロジのメスですが、いくつか見分けるポイントがあり、
双眼鏡やカメラを通してみれば現地でも判断できるので、アオジとクロジのメスの違いをみていきましょう!
アオジとクロジの基本情報
アオジ
スズメ目ホオジロ科で全長16cmほど
オスは顔に緑みがあるものの、単体だとアオジのメスと判断が難しい場合がある
(アオジのオスとメスが並んでいれば、色の差がわかりやすい)
クロジ
スズメ目ホオジロ科で全長17cmほど
オスは灰色味が強いので、他の種と見間違えることは少ない
アオジとクロジのメスの違い
まずは図鑑などで紹介されている違いをまとめていきます。
- 胸から腹が黄色にまだら模様
- 腰が緑みのある灰褐色
- 尾の両側が白くない(飛んだ時に、ホオジロ科特有の尾羽の両側が白い羽がない)
- 腰が茶色い
アオジとクロジのメスの腰
アオジの腰は緑みのある灰褐色で、尾羽の外側に白い羽が見えるのが特徴です。
その為、アオジはホオジロと同様、飛ぶと尾羽の両側が白く目立ちます。
クロジの腰は茶色で、尾羽の両側に白い羽がないのが特徴です。
なので、クロジは飛んだ時に、尾羽の両側が白くありません。
観察して感じたこと
クロジの腰の色は茶色が濃く、他の色があまり目立たずムラがない感じがしました。
一方、アオジは緑みのある灰褐色、黒、茶色など、腰の部分に他の色が混ざる感じでムラがある感じがします。
クロジは尾羽の両側が白くないのですが、光の加減や濡れていたりすると、両側がテカッて白く見える時もあります。
ですが、アオジを見てみると、アオジはハッキリと白色がわかる感じです。
アオジとクロジの顔
今から紹介する違いは、図鑑などにも書いてなく、おさんぽ鳥見編集部が観察した中で感じた違いなので、皆さんもアオジとクロジを見かけたら、確認してほしい内容でもあります。
ただイラスト図鑑を見ていると、描きわけされていたりするので…意外と目安になるかもと、ここで共有したいと思います。
その違いは…
アオジは頭の羽を逆立て気味で、クロジは頭の羽をあまり逆立てないということです。
観察していると、アオジは明らかに頭の羽を逆立てたり戻したりする動きをしていましたが、クロジは羽を膨らませて輪郭が膨らむだけで、羽を逆立てていませんでした。
観察例が乏しいので、今後も要検証の内容ですが…ひとつ参考にしてみてください。
アオジとクロジの色々な場面
アオジのメス
- 腰の色は緑みの灰褐色で、茶色くない。また尾羽の収納具合によって、両側の白い羽が見えないことがある
- 尾羽の両側の白い羽が見える(ハッキリとした白い線のように見える)また飛ぶと、尾羽の両側の白が目立つ
- 黄色が目立つ個体もいます
- 頭の羽が逆立っていない時もあります
クロジのメス
- 奥クロジ、前アオジ?手前にいるのに、奥の方が大きく見えます(クロジ17cm、アオジ16cm)
- 飛び跳ねた時に見えた腰が緑みのある黄色っぽいので、手前にいたのはアオジ?(尾羽の両側の白が見えないので怪しい)
- 腰の茶色に他の色が混じっていない(個体差があるかも)尾羽も単色だが、端や羽軸がテカッて白く見えることもある
- 頭の羽を逆立てることは少ない?
アオジとクロジのメスの見分け方のまとめ
- 尾羽の外側の白い羽が見えるかどうか(アオジ)
- 腰の色は茶色か(クロジ)
- 頭の羽を立てているか(要検証)(アオジ)
などを確認すると、判断がしやすいです。
光の加減や状況によって、見え方も異なるので、
そこは観察時間を長めにとって、各特徴が確認していきたいですね。
飛んだ時に見える尾羽の白い羽(アオジ)も、確認したいですね。
クロジのオスも一緒にいれば、もしかしたらあの子はクロジのメスなのかもと考えがよぎるかもですが…
メスしかいないこともあるので、ついついアオジと思って、特に観察を続けないことも多いかもですね。(クロジに会いに鳥見をしているなら、別として…)
アオジのメスを見かけたら、もしかしたらあの子はクロジのメスかも?
と思いながら、観察してみてくださいね。