「ノビタキの生態は?どんな鳥なの?」
ノビタキ(スズメ目ヒタキ科)は、夏鳥として日本の高原にやってくる渡り鳥です。
飛び出た枝や杭などの目立つところに止まって、「ジャッ、ジャッ」と鳴きます。
ノビタキの生態まとめ表

ノビタキの特徴や基本情報 |
分類 | 動物界/脊索動物門/脊椎動物亜門/鳥綱/スズメ目/ヒタキ科/ノビタキ属 |
特徴 | ノビタキはオスとメスで羽の色が異なり、また夏と冬でも羽の色が異なる 夏羽 - オスは顔•背•翼•尾が黒く、肩に白斑があり腰は白色、胸はオレンジ色で首と腹は白い
- メスの上面は黄褐色で、黒い縦斑があり、腰は橙黄色、肩に小さな白斑があるが、無い個体もいる。下面は淡橙黄色
冬羽 - メスに似て下面が一様に橙黄色の個体が多いが、オスは頭部や背に黒味を持つ
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会える季節 | 夏鳥として日本で繁殖し、春や秋の渡りの時期にも見られる 月ごとの行動目安 4〜5月が春の渡りの時期で、4月下旬〜9月初旬が繁殖期、8月中旬〜10月中旬が秋の渡りの時期 |
会える場所 | - 繁殖期は、高原で見られるが、北海道では平地の草原に多い
- 春と秋の渡りの時期は、平地の畑や河原の草地などにいる
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会える地域 | 日本全国で見られるが、季節によって見られる地域が異なる 繁殖地 本州中部〜北海道 春と秋の渡りの時期 日本全国 越冬地 西日本〜南西諸島で、まれに越冬する。北海道で繁殖した個体の多くは、日本列島を通らず、大陸から中国南部〜インドシナ半島(ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム)で越冬する事が確認されている 世界分布 ユーラシア大陸中部、西部で繁殖し、冬期は南方へ渡る。東南アジア、インドなどでは周年見ることができる |
名前 | - 漢字:野鶲
- 英語名:Siberian Stonechat
- 学名:Saxicola torquata
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名前の由来 | - 日本語名「ノビタキ」は「野原によくいるヒタキ」から。「ヒタキ」は鳴き声が「火打ち石を打つように聞こえる」から
- 英語名「Siberian」は「シベリアの」を、「Stonechat」は鳴き声が「2つの小さな石を打ち合わしたような音に聞こえる」から
- 学名の「Saxicola」は「石を拝むもの」を、「torquata」は「首飾りをつけた」を意味する
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サイズ/体重 | 12〜13cm/10〜15g |
食べ物 | 昆虫類 狩りのスタイル - 見晴らしのいい場所から、空中に飛んでいる昆虫を飛んで捕まえる
- 地面にいる昆虫は、目視で見つけて、歩いて捕まえる
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ノビタキの生態や子育てについて |
鳴き声 | 「ヒーヒョーヒョロリー」などと澄んだ声でさえずり、普段は「ヒッ、ヒッ」「ジャッ、ジャッ」と鳴く 【ノビタキの鳴き声試聴サイト:さえずりナビ(外部サイト)】 |
寿命 | 平均寿命は4〜5年と考えられている |
オスとメス | - 繁殖期はつがいで縄張りを持ち、メスはオスの縄張り内で行動する
- 繁殖期の縄張りは、雛の巣立ちまで継続される
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歩き方 | ピョンピョンと跳ねるように歩く |
似た鳥 | 日本では特に似た鳥はいないが、世界で見るとサバクヒタキ類(外部サイト)という似た種類の鳥がいて、まれに旅鳥として日本にやってくる |
性格 | 適度に警戒心はあるが、目立つところに止まる習性があり、観察しやすい |
行動 | - 大きな群れを作らず、繁殖期はつがいで、非繁殖期は単独〜数羽で行動する
- オスの半数は前年の縄張りに帰ってくるが、メスは2割程度しか帰らない
- 1回目の繁殖に成功したつがいの70%は、2回目の繁殖を行う
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子育て | - 5月頃から、草地の地面に細い草でお椀型の巣を作り、3〜7個の卵を産む
- 卵は12〜14日で孵化し、メスが主に温める
- 孵化した雛は、11〜15日ほどで巣立つ
- 巣立った雛は、10日ほど親鳥から食べ物をもらう
- またカッコウに托卵される事がある
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参考文献
「フィールドガイド日本の野鳥/高野伸二 著」「
野鳥観察ハンディ図鑑 山野の鳥/安西英明 解説/谷口高司 絵」「
The Wildlife Trusts(海外サイト)」「
バードリサーチニュース2016年10月」