「ビンズイの生態は?どんな鳥なの?」
ビンズイ(スズメ目セキレイ科)は、四国以北の山地の明るい林や木がある草原で繁殖し、秋冬は暖地の松林で多く見られます。
ハクセキレイと違って、枝の上でも歩く事があります。
ビンズイの生態まとめ表
ビンズイの特徴や基本情報 |
分類 | 動物界/脊索動物門/脊椎動物亜門/鳥綱/スズメ目/セキレイ科/タヒバリ属 |
特徴 | オスとメスは同じ見た目- 頭上から体の上面はオリーブ緑色で、黒褐色の不明瞭な縦斑がある
- 尾は黒褐色で、外側尾羽の外弁は灰白色
- 眉斑は汚白色で、目の後方にも白色斑がある
- 耳羽はオリーブ色で、下面は淡バフ色で、黒い顎線に続いて胸から脇には黒い縦斑がある
- 足は淡褐色
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会える季節 | 1年中、見られるが、季節によって日本国内を移動する漂鳥 |
会える場所 | 春夏の繁殖期- 繁殖期は山地の明るい林、林縁、木がある草原
- 北海道や本州北部では平地でも繁殖する
秋冬の非繁殖期 |
会える地域 | 日本全国 繁殖地 四国以北、西シベリアからロシア極東、サハリン、朝鮮半島、中国東北部にかけてとヒマラヤ付近 局地的な繁殖地 西日本での繁殖は局地的。2002年の調査では九州の阿蘇高岳でも繁殖が観察され、従来の四国以北よりも繁殖地が広い可能性がある 越冬地 冬季は、日本国内の積雪のない地域、インドや東南アジア、フィリピン、台湾などの温暖な地域に渡り越冬する |
名前 | - 漢字:便追
- 英語名:Olive-backed Pipit
- 学名:Anthus hodgsoni
- 別名:「木雲雀(きひばり)」
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名前の由来 | - 日本語名「ビンズイ」は「鳴き声がビンビンツイツイと聞こえる」から
- 英語名「Olive-backed」は「背中のオリーブ色」から、「Pipit」は「地鳴き」から
- 学名の「Anthus」は「セキレイ」を、「hodgsoni」は「ホヂソンの (ドイツの鳥類学者の名前)」を意味する
- 別名の「木雲雀」は「ヒバリに似た鳴き声」と「木に止まる習性」から
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サイズ/体重 | 16cm/21g |
食べ物 | - 昆虫やクモ、植物の種子などを食べる
- 地面を歩きながら採食する
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ビンズイの生態や子育てについて |
鳴き声 | さえずり さえずりはヒバリに似て、「チチロツイツイツイチョペチピー」などと長く複雑な早口地鳴き 普段は「ヅィー」と鳴く 【ビンズイの鳴き声試聴サイト:さえずりナビ(外部サイト)】 |
寿命 | 情報がなく、不明 |
オスとメス | 同じ見た目で、外見から見分けるのは難しい |
歩き方 | - 足を交互に出して歩き、逃げる時は木の枝に飛び移る
- 枝の上を歩く事もある
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似た鳥 | 「タヒバリ(外部サイト)」 タヒバリは体上面に褐色味が強く、顎線や胸の縦斑が太く、全体に黒っぽく見える。活動場所は水田や河原等の開けた場所にいる。鳴き声は「チッチッ」 |
性格 | 非繁殖期でも林のそばや草陰に隠れながら行動していて、ハクセキレイほど開けた場所で採食しない |
行動 | - 水浴びを好み、山の湧き水や庭の池などによく来る
- 枝の先や岩の上でさえずり、さえずりながら飛び上がって次の止まり場に移る事もある
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子育て | - 5〜8月頃に、草地•崖•土手の窪みに、草の茎を使ってお椀型の巣を作り、3〜5個の暗い茶色の黒っぽい斑点のある卵を産む
- 卵は12〜13日で孵化し、メスだけまたはオスとメスで温める
- 孵化した雛は10日ほどで巣立つ
- またジュウイチに托卵される事もある
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参考文献
「フィールドガイド日本の野鳥/高野伸二 著」「
野鳥観察ハンディ図鑑 山野の鳥/安西英明 解説/谷口高司 絵」「
九州におけるビンズイの繁殖の初記録」「
ジュウイチによるビンズイへの托卵例」