「ヒクイナの生態は?どんな鳥なの?」
ヒクイナ(ツル目クイナ科)は、東北地方以北では夏鳥で、それより南では留鳥または漂鳥の鳥さんです。
水辺や湿地の草むらに暮らし、茂みの中に移動するので、姿を見る事は多くない鳥です。
そのため、季節ごとの生息確認がしづらく、渡りの区分がハッキリしない地域もあります。
ヒクイナの生態まとめ表
ヒクイナの特徴や基本情報 | |
分類 | 動物界/脊索動物門/脊椎動物亜門/鳥綱/ツル目/クイナ科/ヒメクイナ属 |
特徴 | 顔からお腹までが赤茶色で、後頭部から背、翼は暗緑褐色。脇、下腹、お尻は白と黒の横斑。くちばしは赤紫が混じった黒と水色で、足は赤色 |
会える季節 | 夏鳥として日本にやってくるが、本州以南では越冬する個体もいる(留鳥) |
会える場所 | 水田や湿地、河川の茂み。茂みの中を移動する事が多く、いたとしても開けた場所に出てくる機会が少ない |
会える地域 | 日本全国で見られ、2006年から実施されたヒクイナの調査記録によると、特に西日本で生息数が多い ヒクイナの繁殖地 世界分布 |
名前 |
|
名前の由来 |
|
サイズ/体重 | 23cm/610〜1200g |
食べ物 | 昆虫、軟体動物、カエル、種子など |
ヒクイナの生態や子育てについて | |
鳴き声 | 「キョッ、キョッ、キョッキョッキョッキョキョキョ」と始めは遅く、次第にテンポの速くなる声で鳴く。警戒する時には「ケレケレケレ」と鋭く鳴く。夕暮れから朝早くによく鳴き、その鳴き声から「クイナの戸たたき」と呼ばれている ヒクイナのさえずり ヒクイナの鳴き声 |
寿命 | 1〜5年と言われるが、詳しくは分かっていない |
オスとメス | ヒクイナのオスとメスは同じ見た目で、外見からは判断が難しい |
歩き方 | 足を交互に出して歩き、茂みから茂みへ移動する時に、開けた場所に出てくる事もある。また泳いだり潜ったりする事もある。人の気配を感じると、早足で移動する |
似た鳥 | 「オオクイナ(外部サイト)」「クイナ(外部サイト)」「ヒメクイナ(外部サイト)」 |
性格 | 警戒心が高く、茂みから出てくる事が少ない。 |
行動 | お尻をひょこひょこさせながら行動する。 |
子育て |
|
ヒクイナの鳴き声
ヒクイナのさえずり
キョ、キョ、キョッキョッキョッキョキョキョと段々早くなるさえずり。
繁殖期の早朝と夜によく聞こえます。
ヒクイナの警戒音
警戒時などに鳴く、ケレケレケレという鳴き声。
ヒクイナの姿が見えないので、急に茂みから聞こえてきます。
クイナの戸叩き
コッやクッと短く間隔的に鳴くヒクイナの鳴き声です。
昔の人は、このヒクイナの鳴き声を戸を叩く音に見立て、和歌を詠みました。
クイナの戸叩きを読んだ歌
- くひなのうちたたきたるは、誰が門さしてとあはれにおぼゆ/紫式部 『源氏物語・明石』
- たたくとも誰かくひなの暮れぬるに山路を深く尋ねては来む/菅原孝標女 『更級日記』
- 五月、菖蒲ふく頃、早苗とる頃、水鶏の叩くなど、心ぼそからぬかは/兼好法師 『徒然草』
- 此宿は水鶏も知らぬ扉かな/松尾芭蕉
ヒクイナの赤い足
ヒクイナの足は長く、赤いです。
ひれなどはありませんが、泳いだり潜ったりする事もあります。
ヒクイナの食べ物一例
ヒクイナがオケラのようなものをつかまえています。
ヒクイナは動物食の傾向が強く、水辺の草むらなどで食べ物を探しています。
他にも、秋にはタデ科のミゾソバの花をつまんで食べる様子が観察できました。
ヒクイナの活動する茂み
ヒクイナは近くに水辺がある茂みを好んでいます。
水辺は大きな池や川でなくてもよく、舗装された水位の低い川の茂みでも、見られます。