
ヘルパーとは
親鳥以外の鳥が、子育てに参加する行動の事。協同繁殖とも言う。
ヘルパーに参加する鳥は若いオスに多く、他にも自分のなわばりや繁殖相手を得られなかった個体が参加する。
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鳥のヘルパー行動豆知識5つ
- ヘルパーする種は鳥類全体の3%程度(世界で約358種)
- ヘルパーする鳥の多くは、熱帯地域に生息している
- オーストラリア大陸では、ヘルパーする鳥が多い
- ヘルパーの存在が必ずしも繁殖の成功を高めるわけではない
- ヘルパーする鳥は血縁関係にある個体だけではない
ヘルパーする理由
鳥達がヘルパーをする理由はいくつか考えられています。
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ヘルパーするメリット
- 親の子育てを手伝う場合、自分と共通の遺伝子を残せる
- 食べ物が豊富ななわばりにいられる
- ヘルパーが血縁関係でなければ、そのつがいのなわばりを受け継げる可能性がある
- 子育ての経験値を得られる
ヘルパー行動が起こる例
鳥のヘルパー行動を研究する際に、こんな実験がされていました。
ヘルパー行動をする鳥をある島に移住させたところ、
最初の2年間はヘルパー行動は見られなかったが、良質ななわばりが無くなってくると、質の悪いなわばりに移り住む若鳥に混じって、ヘルパーをする個体が現れ始めました。
この事から、ヘルパー行動が起こる一因は、なわばり不足によるものであると考えられます。
日本で確認されているヘルパーする鳥
エナガ、シジュウカラ、スズメ、オナガ、カケス、カイツブリ、バン、オオバン、ハヤブサ、コゲラ、ツバメ、カワセミ、カヤクグリ、イワヒバリ、ヤブサメ、ホオアカ、ムクドリ、ルリカケスなど
鳥のヘルパー行動の複雑さ
鳥のヘルパー行動は、様々なパターンがあり、わかっていない事の方が多いんです。
ここでは、鳥のヘルパー行動の色々なパターンをまとめてみました。
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ヘルパーの多様性
- セイシェルヨシキリは必ずメスがヘルパーになる
- アカハシオオハシモズは、メスの死亡率が高く、オスが親元にとどまる事が多い
- ハチクイは、自分の子供が子育てを始めると、自分のところのヘルパーをするように催促する習性がある
- 若いオスがヘルパーになることを前提とする鳥がいる一方で、メスがヘルパーになることを前提にする鳥もいる
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ヘルパーの多様性パート2
- 子が親を手伝う
- 親が子を手伝う
- まったく血縁関係のない鳥同士
- ヘルパーは若い鳥だけ
- ヘルパーは成鳥だけ
- 親も子も子供を産んで協同繁殖
現時点で「なぜ鳥類がヘルパー行動をするのか」は解明されていません。