「オオルリの生態は?どんな鳥なの?」
オオルリ(スズメ目ヒタキ科)は、夏鳥として日本の山にやってくる渡り鳥です。
日本にやってくる4月下旬頃から、綺麗な声でさえずり始め、日本三鳴鳥の1種にも選ばれています。
オオルリの生態まとめ表
オオルリの特徴や基本情報 |
分類 | 動物界/脊索動物門/脊椎動物亜門/鳥綱/スズメ目/ヒタキ科/オオルリ属 |
特徴 | オスとメスで羽の色が違う オスの特徴 - オスは頭上から背が青紫色、翼と尾は黒くて、青い羽縁があり、外側の尾羽の基部は白い
- 喉、顔、胸、脇は黒く、腹が白い
メスの特徴 - メスは上面が茶褐色で、尾に赤褐色味があり、脇と腹は白く、胸と脇は褐色
オスの若鳥の特徴 - 頭と体の下面はメスに似るが、背、翼、尾はオスに似て青い
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会える季節 | 夏鳥として日本にやってくる 4月中〜下旬頃から見られ始め、10月頃まで見られる |
会える場所 | 低山、特に渓流沿いの林を好む |
会える地域 | 九州以北 オオルリの繁殖地 日本、東アジアの大部分〜ヨーロッパ、北アフリカ オオルリの越冬地 インドネシア、フィリピン周辺 |
名前 | - 漢字:大瑠璃
- 英語名:Blue-and-White Flycatcher
- 学名:Cyanoptila cyanomelana
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名前の由来 | - 日本語名「オオルリ」は、オスの瑠璃色の姿から。もともと「瑠璃鳥(るりちょう)」と呼ばれていたものが、「コルリ」と区別した事から「オオルリ」と呼ばれるようになった
- 英語名「Blue-and-White Flycatcher」は、オオルリのオスの見た目から。「Flycatcher」は、ハエなどを飛びながら捕食する行動から
- 学名の「Cyanoptila」は「暗青色の羽」を、「cyanomelana」は「暗青色と黒色の」を意味する
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サイズ/体重 | 16cm/24g |
食べ物 | 昆虫、果物など 樹上で獲物を探し、採食で地面に降りてくる事はあまりない |
オオルリの生態や子育てについて |
鳴き声 | さえずり 「ピーリーリー、ポイヒーピピ、ピールリピールリ、ジェッジェッ」などとゆっくりした伸びのある声でさえずり、オスは個体によってレパートリーが異なり、時に他の鳥の鳴き真似もする普段の鳴き声 地鳴きは「クックッ」や「タッタッ」と鳴くオオルリがさえずる時期 オオルリは日本にきた4月中〜下旬から鳴き始め、メスがやってくる5月の初旬あたりがピークとなるが、8月上旬までさえずりが聞こえる事がある 日本三鳴鳥のオオルリ オオルリはその鳴き声の美しさから、日本三鳴鳥に選ばれていて、姿の美しさと相まって、よく図鑑の表紙にもなっている(他:ウグイスとコマドリ) 音声データ/オオルリのさえずり 音声データ/メスが近くにやってきた オオルリのさえずり動画 【YouTube-オオルリのさえずり動画】 |
寿命 | 飼育個体の記録では約5年ほど |
オスとメス | - オスはメスよりも早く飛来し、さえずりを行う事で、メスに呼びかける
- オオルリはオスもメスもさえずるが、メスのさえずりは、雛に注意を促す警戒行動と考えられている
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歩き方 | ピョンピョンと跳ねるように歩くが、地面に降りる事はまれ |
似た鳥 | 特に似た鳥はいないが、巣立ちを迎えた雛はキビタキの雛とよく似ている またメスはキビタキのメスと混同しやすい |
性格 | - さえずりが美しく、メスがさえずる事が珍しい為、逆に人を寄せてしまう
- メスがさえずっている時は、近くに雛がいる場合が多く、メスは警戒の意味で鳴いていると考えられるので、できるだけ早くその場を立ち去って、オオルリを安心させてあげよう
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行動 | 日本にやってきたばかりの時期のオスは、なわばり争いを行う |
子育て | - 5月中旬頃から、メスが日陰で湿気のある沢沿いの斜面にコケや落ち葉でお椀型の巣を作り、3〜5個の卵を産む
- 卵は約14日で孵化し、メスのみが温める
- 孵化した雛は、12日ほどで巣立ち、オスとメスで食べ物を与える
- 巣立った雛は、10日ほど家族で行動する
- またオオルリはジュウイチに托卵される事がある
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オオルリの若いオス
おさんぽ鳥見編集部
オオルリの若いオスは、繁殖期以降の9月頃から、実のなる植物にやってくることが多くなります。
参考文献
「フィールドガイド日本の野鳥/高野伸二 著」「
野鳥観察ハンディ図鑑 山野の鳥/安西英明 解説/谷口高司 絵」
「名前の由来と語源 野鳥の名前/安部直哉 著」
「
バードリサーチニュース2018年7月」